ハロウィンの思い出〜「クノールの苦悩」

カボチャが山積みされている画像 エッセイ

僕はハロウィンに決まって買い物へ行く。
特に目的はない、ただ、イベントの日は家でじっとしていられない性分なのだ。

毎年、野菜コーナーへ行くと、必ずある売り文句。

“ハロウィンの夕食にカボチャはいかがですか!?”

「なんてご都合主義のスーパーだ。普段は売れ残った1/4カットカボチャに容赦なく半額シールを貼るくせに。今日だけvip待遇かい」

僕は心の中で毒づきながら、pop広告を一瞥する。

カボチャに恨みはない。カボチャは美味しい、大好きだ。
ただ、何せ、やつらは特殊調理食材、調理難易度が高い。

意地でも離れまいと果肉にへばりつく緑の皮。
あいつらをちびちび削る作業は、神経までも削り尽くす。
気を抜こうものならば、指までストンと削りかねない命懸けの作業。

それはまさに“死闘”と表現するにふさわしい。

そうカボチャこそ、ディフェンスとオフェンスの能力を兼ね備えた「King of Vegetable」なのである。(意味不明)

「すまんカボチャ、今じゃないわ。また今度な」
僕は別れを告げ、さっそうと野菜コーナーを駆け抜ける。

「ふん、ハロウィンでカボチャを売ろうなんて浅はかな販売戦略だぜ。」
ふつふつと湧き上がる優越感。
僕は意気揚々と勝利の行進を続ける。


それはちょうど、1番通路を曲がったところだった。
そこにやつはいた。

カゴに山積みされていたのは
「クノール パンプキンスープ」

クノールカボチャポタージュ画像

「カボチャの調理は面倒くさい、、、」そんな僕の思惑を見透かしたかのように、看板は語りかけてくる

“お手軽にハロウィン気分を味わいませんか?”

「くっ、、、、何をわざとらしく、、カボチャの調理は面倒だからカボチャ味のカップスープだぁ?  そんなの、、、そんなの、、、、、、」

心の中で反抗しながらも、カゴに伸びる手を止められない自分。

「止まれ、止まれぇ!」
応じない腕、買い物カゴに滑り込むクノール。

僕は抗う術もなく、この「カボチャ合戦」完全敗北を喫するのであった。

それにしても、「生カボチャ」→「クノールカップスープ」と二重でトラップを張り巡らせるスーパーさんは大したもんだ。その涙ぐましい企業努力に、張本さんの「あっぱれ印」を贈呈しよう。

僕は唇を噛みながらレジへ行く。
前のおばさんは生カボチャを買っていた。
“死闘”も厭わない覚悟か、さすが歴戦の主婦は面構えが違うぜ。

僕の番になる。「ぴっぴっ」流れるようにレジ打ちするお姉さん。
カップスープの番になった時、ちらっと僕の方を見る。
目が合う。彼女の口角が3ミリ上がった気がした。

「スーパーの術中にまんまとハマったわね、お馬鹿さん」
そう語りかけているように思えて仕方がなかった、、、、、


最後にここで、正直に申し上げよう。
実はわたくし、このトラップにひっかかったの今回が初めてでない。
「僕vsスーパー」の「カボチャ合戦」は毎年恒例のイベントとなりつつある。

一人暮らしを始めて早4年半。
通算0勝4敗で、スーパーの圧勝だ。

毎年同じトラップに引っかかる学ばない自分。
僕はあと何回、クノールカップスープの餌食になるのであろうか。

今年は海外にいるので、「カボチャ合戦」一時休戦。

読者の皆さんに思いを託します。

ハロウィンは10月31日!クノールとの健闘を祈る。

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