北国男

エッセイ

蚊苦闘

フィンランドでは夏休み中「コテージ」に長期滞在する文化がある。都会の喧騒から逃れ、森と湖に囲まれたセカンドハウスでまったりリラックス…それがフィンランド流、夏の過ごし方なのだ。運よく、僕にも「サマーコテージ」チャンスが巡ってきた。ホストマザ...
エッセイ

ショートコント「日本語レッスン」

フィンランドには、「無印良品」が1店舗だけ存在する。「北欧最強のコングロマリット:IKEA」がフィンランドを牛耳っている中、孤軍奮闘、1人負けじと聳そびえ立つ「無印良品」にはもはや貫禄すら漂っている。日本食が恋しくなると、僕は決まって無印に...
エッセイ

三歩目の物語

早いもので、フィンランド滞在も8ヶ月が経過した。薄味の食事、極寒の湖、目の飛び出る物価高…全てに適応しつつあったが、1つだけ、どうしても仲良くなれないものがいた。それは、バス。フィンランドバス…なかなかの難敵である。フィンランド人の性格を反...
エッセイ

アンパンマンとヘルメット

誰も興味のないことを熱っぽく語り、聴衆置いてけぼり、気づけば単独ソロライブになっていた...そんな経験はないだろうか?うちのホストファザーがよくこれをやる。彼は一家団欒いっかだんらん、食事の席で趣味の「バイク」について語り、空気を凍りつかせ...
エッセイ

燃えよ、イースター

ある日の職員室。教員一同にミッションが課された。「イースター当日、1980’sの仮装をしてくること」1980’sって…ボク、マダ、生まれてましぇん。喉元まで出かかった弱音をグッと飲み込む。80’sといえば、バブル全盛期。…と言われても、僕に...
エッセイ

ドMな僕と、それからアバント。

「ねぇ、明日、アバント行かない?」ある日、同僚から誘われた。フィンランド冬の伝統「アバント」「凍りついた湖に穴をあけて泳ぐ」=「過激版水風呂」のことである。某TV番組「世界の果てまでイッテ○」では芸人さんの罰ゲームとしてすっかり定着している...
エッセイ

寿司食いねぇ

フィンランドの寿司人気には驚かされる。市内の至るところに「寿司レストラン」があり、スーパーに行けば、酢、海苔、わさび、なんでも手に入る「寿司コーナー」が設置。フィンランド人に「好きな食べ物」を尋ねると3割3分3厘のハイアベレージで「Sush...
エッセイ

タイ料理が食べたい。

「タイ料理が食べたい・・。」しょーもないダジャレが口をつく。それは、1ヶ月ぶりに首都「ヘルシンキ」へ向かう電車内でのことだった。前に座る乗客が、不思議そうに僕の顔を覗き込む。「は、何を考えているのだ、僕は。ここはフィンランドだぞ。」シナモン...
エッセイ

僕は今宵100人の親となる〜フィンランド人に書道教えてみた

「書道の授業してくれへんか?」フィンランドの小学校で校長先生からお願いされた。「道具はあるんですか」と尋ねると、「すずり?ぶんちん?ちんぷんかんぷん、なんやそれ?」状態。フィンランドで本格的な道具を用意できるわけがない。「ええい、大事なのは...
エッセイ

灼熱のフロアボール

ホストファザーから、「フロアボール」なるスポーツに誘われた。スティックでボールをパスしながら、ゴールを目指す、そんな競技。アイスホッケーの室内バージョンだと思ってもらえればいい。小学校の体育館を借りて地元民で汗を流すという。いいじゃないか、...