「フィンランドの中心で、のどちんこをさけぶ」

エッセイ
 

⚠️注意⚠️
この記事はライトな下ネタ回となっています。

・下ネタ言う人、生理的に受け付けない
・ブログ(フィンラン道)を読んでフィンランドの風を感じたい

そのような方々には非対応の作品となっておりますので、今すぐブラウザバックして時間を有効活用していただければと存じます。

ただし、本人は極めて真面目に執筆しております。
僕の誠実な「のどちんこ」への想いを感じ取っていただければ幸いです。

12月冬休み直前、小学校、教室。

僕は5人の生徒に囲まれながら、談笑していた。
話題は「フィンランド語」について。

彼らは目につくものを片っ端から指差して、それをフィンランド語でなんと言うのか説明してくれていた。

「スプーンはフィンランド語で・・・」
「本はフィンランド語で・・・」

フィンランド語は英語とも、日本語とも似つかない言語である。
したがって僕にとっては全てが新出語句。マシンガンの如く浴びせられ続ける「フィンランド語シャワー」
一つ一つの弾を受け止め、必死に覚えようと努める。

も、彼らの教えてくれるフィンランド語は定着することなく流れていく。

みんな手当たり次第に、異なるフィンランド語について説明するものだから、脳の処理が追いつかないのだ。彼ら、僕を聖徳太子か何かと勘違いしているようだ。

後半から、戦意を喪失した僕はついに暗記を放棄する。
彼らの口から放たれる弾丸は、休むことなく僕の身体を貫き続けた。

しばらくして、銃撃は止んだ。
どうやら一通り身の回りにあるものの説明を終えてしまい、教えるネタが尽きたよう。

何か説明するものはないかと、周囲をキョロキョロ見渡す。
すると一人の学生が「身体の部位」についてはまだ説明していないことに気づく。

生徒「ここはね(眼球を指しながら)、フィンランド語で『シルマ』っていうんだよ」
僕 「そこは日本語だと『目』って言うよ」
生徒「Me?変なの〜」

生徒「じゃあここは日本語でなんて言うの?」
僕 「そこは鼻だね」
生徒「Hana!!フィンランド語だと『ネナ』」だよ〜」

にぎやかに言語交流が行われる。
英語と、フィンランド語、それに日本語が飛び交う、ほんわかインターナショナル空間。

楽しかった。
こうして、お互いの言語について教え合うというのは、なんとも素敵で、尊いことではないか。

その時だった。

ある生徒が口をパカリと開け、口内を指差して言う。
「ここは『ウブラ』だよ」

「ウブラ?どこのこと?」
「ここだよ、ここ、ここ。」

彼の指は歯や舌ではなく、その遥か奥をさし示している。

しばらくして、僕は、気づいた。
「ウブラ=のどちんこ」であることに。

僕の中で唐突に芽生え始める「恥」の感情。

「ふ〜ん、そうなんだ。」
あまりそのワードを口にしたくない僕は、そっけなく反応する。
そこに追撃のクエスチョン。

生徒「日本語だと、なんて言うの〜?」

僕「(くっ、やむを得ん)、、、、、、、のど、、、ちんこ(小声)」

生徒×5「Nodo、、、Chinko〜♪」

5人の生徒はみな、僕に続いて復唱する。
のどちんこの響きが気に入ったのだろうか。彼らはキャッキャ言いながら、何度も何度も繰り返す。

僕は、なんだか、いけないことを教えているような罪悪感に襲われる。モンスターペアレントに目撃されたら、セクハラ罪で訴えられてもおかしくない内容だ。

「裁判官、被告人は無罪を主張します。本当は教えたくなかったんです。こんなこと。正直に教えただけなんです。」

必死の弁明を試みる。

これ以上、「のどちんこ」について聞かれたらたまらないと、僕は動揺しながら、なんとか話題を変えようと試みる。

僕 「ここは『のど』っていうんだよ。」

生徒「ふ〜ん、『Nodo』か、、、」

よし、無事口外へ脱出することに成功した。
額を流れる冷や汗を袖で拭う。

これにて「言語交流会」は終わるはずだった。
エンディングロールが流れ、ハッピーエンドで終幕する予定だった。

しかし、ある生徒が、ボソリと呟く。

生徒「Nodo、、、、?あれ、Nodoちんこ?」

しまった、、、、

時すでに遅し。
のどちんこ熱、再点火。

僕は再び、のどちんこへ引きずり戻されるのだった。
脱出失敗である。

生徒×5「Nodo-Chinko〜♪」

彼らの攻撃は続く。
別の生徒が眉間にしわを寄せ、何か引っかかっているような顔をしながら僕に問う。

生徒「あれ、『のど』がここを意味するなら、『のどちんこ』の『ち○こ』ってどういう意味?」

僕 「、、、、、、、、、」

なんてことだ。一番突かれたくない急所に気づかれてしまった。
『のど』発言のせいで逆に掘ってしまった墓穴。

やり場のない「恥」の感情はマグマのように煮立ち、次第に怒りへと昇華する。
怒りの矛先は、もちろん「のどちんこ」の命名者に対して、である。


「のど/ち○こ」
のどまではまだわかる。のどにあるのだから。正しい命名センス。
しかし、「ち◯こ」部分に異議あり!!

「ぶら下がっていて、形が似ているから『ち◯こ』にしよ〜♪✨」的な軽いノリで名付けたのだろうが、それによって僕は今とんでもない精神的苦痛を感じている。許せん、許せんぞ命名者。

のどちんこの命名者よ、名乗りをあげい!
絞首刑じゃ。主もぶらぶら吊り下げられるといい。のどちんこのように。

命名者に対する怒りの噴火はおさまりそうもなかったが、今はそれどころではない。

まずは喉元に突きつけられた難題:「ちんこって何?」
に対する返答をしなければならなかった。

今更、どう足掻いても、彼らは見逃してくれそうにない。
せめて最後くらい、正直ものであろう。
僕はありのままの「のどちんこ」の意味について説明する覚悟を決める。

僕「喉はthroat、、、、ち◯こはPenisだよ。

うぬぅ、、、やはり拭えぬ恥じらいの気持ち。
僕はなんとかごまかそうと、モゴモゴとした口調で答える。

しかし相手は小学生。この年頃の子どもは「ちんこ」に敏感だ。
彼らが、僕の「ち◯こ発言」を聞き逃すはずがなかった。

一斉に目を輝かせた少年たちは、スキャンダル発見時のマスコミの如く、矢継ぎ早に質問を投げかけてくる。

生徒「え、なんでちんこなの?」

僕 「形が似ているからです、、、、」

生徒「え〜似てないよ、、、」

僕 「、、、似ているでしょ。ぶら下がっているし。」

生徒「似ていない!!」

僕 「似ているったら似ているの!!!」

半ば発狂しながら、「のどちんこ」の正当性を訴える。
教室内に響き渡る、自身の悲痛な叫びを聞いて、唐突に我に返る。

僕は、なぜこうも必死なのだろう。
僕は、いつから「のどちんこ」肯定サイドに立っていたのだろう。

拝啓、「のどちんこ」命名者様

あなたが軽い気持ちでつけたその名前、数百年後の今も変わらず使われています。
どうか、その名前つけるの、思いとどまっていただけませんか?

敬具

教室に反響する僕の叫び。
ドン引きした生徒の表情。
宙ぶらりんのまま、終わった「のどちんこ」の説明。

僕は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら、足早に教室を後にする。

「何もなかった、そう、何もなかったのだ。」

廊下を歩きながら、今までの記憶を抹消しようと試みる。
しかし、だめだ。どうにもうまくいかない。
どんなに記憶を消したって、こいつだけは消せない。こいつだけは消せなかった。

叫びすぎてズキズキ沁みる「のどちんこ」の痛みだけは。


〜後日談〜

この記事の執筆後、僕のパソコンの予測変換で

「の」と打ったら「のどちんこ」
「ち」と打ったら「ち◯こ」が出てくるようになりました。

汚染されちまった僕のパソコン。
どうか、小学生たちが汚されていませんように。
汚されるのは僕のパソコンだけで十分だ。

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